大手ハウスメーカーの家はみんな高品質?

国の耐震基準と断熱性能

「大きな地震にも耐えられる家」当たり前のことですね。国がしっかり耐震基準を定めています。大きな地震が起こるたびに「こんな甘い基準じゃダメだ」というわけで耐震基準はどんどん厳しくなっていて、1971年、1981年、2000年に大きな改正が行われました。今では「等級1」「等級2」「等級3」の3段階です。

「夏は暑くなく、冬は寒くない家」これも当たり前ですね。心地よさだけでなく、地球温暖化防止のためにも注目されています。これも国が基準を定めています。こちらも基準がどんどん厳しくなっていて、1980年、1992年、1999年、2022年に新しい等級が追加されています。今では「等級3」「等級4」「等級5」「等級6」「等級7」の5段階です。等級1や2は昔の低い基準なので、これから建てる家には使えません。

と、この辺まではインターネットで調べればどこにでも同じことが書いてあるんですけどね。問題はここからです。

基準は誰が決めている?

これらの基準は、誰がどうやって決めているかご存じですか? これはね、大手ハウスメーカーと国の機関とが話し合いをして決めているんです。私ら工務店は蚊帳の外です。いつもそうです。まあ、政治の世界っていうのはそういうものですけどね。

でもね、雪国のことを知らない東京のハウスメーカーの人と、やっぱり雪国のことを知らない東京にある国の機関が決めた基準です。私はそのまま鵜呑みにして家を建てたりしませんよ。

例えば断熱性能だと市町村別に「ここはこのくらい寒いだろうから断熱性能はこの数値」って決まってるんですけど、「冬の間ずっと太陽が照り続ける仙台と、豪雪の湯沢町の県境付近が同じ数値」なんて、おかしいでしょ?

「雪国に家を建てるなら、こういう所はこうしないと不便だ」という細かいノウハウはね、全国展開する大きなメーカーには案外伝わっていないですよ。

基準を満たせばそれでいい?

もちろん、最低限の基準は満たしていないと、建てた家を売ってはいけないことになっています。だから最低限の安心は法律で保証されているはず、なんですけどね。

でも、これから何十年と住むことになる大切なマイホームが「最低限の基準しか満たしてない」っていうのはどうなんですかね?「有名な大手ハウスメーカーに建ててもらったのに、夏は暑いし冬は寒い」なんていうことが起こるのは、低い基準で建ててしまうからです。

高い基準で家を建てれば、当然ですけど費用がかかります。施主の予算内で自社が受注できるように、「当社の断熱性能は国の基準を満たしていますから、標準仕様で大丈夫ですよ。」なんて言って、最低限の基準で契約させてしまう営業員もいるんですよ。

今は断熱性能の等級3が最低ですけど、2025年には等級3でも建てられなくなって、2030年には等級4でも建てられなくなる見込みだそうです。つまり、今は等級3でも合法だからってそれで建ててしまうと、数年後には「古い基準で建てた寒い家」と呼ばれてしまうんです。

基準どおりに施工されるのか?

「基準を満たせばとりあえず安心」というのは、本当に基準どおりに施工されていることが前提ですよね? 大きな地震が起こるたびに、「倒れた建物を調べたらコンクリートの鉄筋が基準の半分しか入ってなかった」なんて手抜き工事が話題になります。住宅でもそういう手抜きがされることは無いんでしょうか?

昔から「施主は現場にかよって作業を見張れ」なんて言われてきました。施主が見てない所で手を抜く職人がいるからです。でも、今の若い人は現場を見張っても、手抜きしてるかどうかなんて分からないですよね。

それに、前回お伝えしましたが、大手ハウスメーカーは大工を現地調達します。わざと手抜きするつもりは無くても、そのとき雇った大工の腕が未熟で設計どおりの品質を満たせないなんていうこともあるわけです。

 

だから、本当に安心できる家を建てようと思ったら、絶対に手抜きをしない誠実な会社、そして確かな腕を持った職人を抱えた会社を選ぶしか方法はないわけです。

明日は、いわゆるローコスト住宅についてです。どうぞ楽しみにしていてください。

(有)大桃工務店 代表取締役 棟梁 大桃実

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